あっという間に2020年後半がスタートしました。
6月以降全国各地で豪雨被害が頻発し、青果物の物流も例年になく難航しております。湿気や雨による泥はねなどから品質面も低下しやすい時期ではありますが、よりよい商品をお届けできるよう尽力してまいります。
はしり・さかり・なごり
皆さんはこの3つの言葉をご存知でしょうか?青果物の旬を考える上では外せない言葉です。少し端的な説明になりますが果物の木をイメージすると分かりやすいかもしれません。
【はしり】花が咲いてから実がつき、段々と色付き最初に収穫できる頃。
【さかり】木全体の実が色づき沢山収穫できる頃。
【なごり】段々と収穫できるものが少なくなってくる頃。
一つの産地・商品それぞれに【はしり・さかり・なごり】があり、各産地のタイミングをうまくつなげる事で周年供給が可能になっています。
はしりは市場に入荷し始めのもの、シーズン最初に収穫できるものを指します。時折ニュースなどで目にする『初荷』というのもこれ。縁起物としても好まれます。
作物の勢いが強い事から収量や規格などが不安定であったり、味わいについても未熟さなどがありますが、みずみずしさも魅力の一つ。サラダなどの生食や火を通しすぎない調理法がおすすめです。
シーズン先駆けの希少性から季節感を先取るホテルやレストランといった業務向けでの需要が高いのも特徴です。
さかりはその名の通り「真っ盛り!」一般にイメージする『旬』といえます。収量も増え、市場への入荷は安定傾向に。供給増加に伴って相場も下がりやすいので量販店では目玉商品として並べられる事が多いです。
旬の青果物は栄養価も高いので、安価で美味しく栄養価も高い"さかり"の商品を積極的に購入して頂けると身体もお財布も嬉しくなるかと思います。調理法については「どう調理しても美味しい」のがさかりの特徴。たっぷりと惜しみなく旬のエネルギーを召し上がって頂きたいです。
なごりは「名残」とも。段々と収量が少なくなり、シーズンの終わりが見え始めてくる頃です。作物の勢いが弱まってくるため繊維感が強くなったり、品質低下が見受けられる時期でもあります。一方で品物によっては酸味が抜けて甘みを強く感じるようになったり、水分が抜けて味わいが濃くなる、といった特徴があります。作物の持つ水分量が少ないため水分を足しての煮込み料理などがおすすめです。
同じ青果物でも季節によって味わいは様々。加工品と違って全く同じ味の青果物、というのは存在しません。イチゴの一粒一粒が、玉ねぎの一つ一つがそれぞれ違う味わいです。一年中使う食材でも、はしり・さかり・なごりによって調理法を変えるのも楽しみ方の一つではないでしょうか。
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